不眠学生虫屋の雑多採集記

素人ながらに昆虫採集を楽しんでおります

早春の妖精と厳冬の蛾と。

 

 

2024年2月17日

早春のこの時期に現れるとある蛾を狙いに、知り合い達と埼玉県某所の河川敷に来てみました。

 

 

 

その蛾がいるのはこんな河川敷の

 

 

 

こんな環境。

 

予報に似合わず、少々雲はあるが晴れて風が弱くなってくれたので条件は完璧…。

 

 

とりあえず、私はまだその蛾を見たことも採ったこともないので、飛んでる飛翔体を手当たり次第に目を付けていくと…

 

 

「ん?あれでは?」

 

明らかにモンキチョウより一回り小さいくらいの鱗翅目が数匹舞っていました。

割と低いところを飛んでたので楽にネットインすると…

「うわぁぁぁあ!!!採れた!!!フチグrロロ!フチグロ!!!!」

着いて5分もせずに網に入ってしまうとは…

他にも目を凝らしてみると、数匹似たようなものが飛んでいたのでこちらも網を振ってみると…

2個体目。

多産地故なんだろうけど、聞いてた話だとこんなに軽々採れる虫とは聞いてなかったんよなぁ…(この時10時半ごろ)

毒瓶で〆てから表を拝見。

マジで図鑑で見て憧れてたあの蛾だ…と2度目の感動。

 

そう、こちらが今回の狙いの蛾である、

"フチグロトゲエダシャク"

Nyssiodes lefuarius (Erschoff, 1872)

になります。

 

時間は11時手前、既に見渡す一面にフッチー(本種の愛称みたいな呼び名です)が乱舞していました。

 

別個体で一応生態写真写真もパシャリ。

 

3、4、5匹目(この時11時過ぎ)

ちょっと楽に採れるからといって採りすぎた感あるので、残りの♂は全キャッチ&リリース…

 

ここで同行してた知り合いがあるものを発見…

 

交尾ペア。

採集を優先してしまったそうなので証拠程度の写真ですが、数匹の♂が地表付近を舞ってたところをよく見たらペアがいたそうです。

こちらのペアは見つけた知り合いが有り難く採集…

 

 

 

因みに、飛んでた飛翔体の中にはキタテハやモンキチョウなんかも混じってました。うーむ春…

 

最後に、フッチーの雌が採れたらやってみたいことがあったので、折角なのでそれもやってみました。

手に乗せてたら案の定コーリングを始めたので、草むらに(勿論逃げられたくないので手ごと)置いてみると…

https://x.com/zaikokokoko/status/1758828826262737191?s=20

フェロモンに誘われて大量の♂が飛来してきました!!!

そう、フッチーの採集の一種として♀を使った「フェロモントラップ」があるのですが、簡易的にそれをやってみたかったのです。

 

生態写真っぽい交尾が撮りたかったので先ほどいた場所に♀を戻し撮影、そして♂を待ってると…

すぐに数頭の♂が飛来し交尾になりました!!

生態写真ではないかもしれないけど交尾も見たかったのでよかった…

交尾態になった後も♂がフェロモンに寄せられて飛来してきたので、こんな風に♀を奪い合ってるような光景も撮れました。

 

 

 

こんな感じで初のフッチー採集でしたが非常に充実しており本当に楽しい採集でした!

また来年も是非この蛾は見に行きたい…!

 

まだまだ終わりませんよ〜

 

 

フッチー採集の後、近くの雑木林で知り合い達と糖蜜採集もやってきました。

2人で撒いたので結構広範囲に撒けました!

 

撒いてからすぐに飛来したのはカシワオビキリガ。

この日は本種含むconisuta属が無限にやってきました…

 

大量にいるカシワオビを見てたら何か「ん?」となる個体が…

 

「ウスミミモン!!ウスミミモン来た!!」

マジで見た時声が出ました、今回密かに狙ってた冬夜蛾なので嬉しすぎる…

写真撮れなかったんですがミッキーことミツボシキリガもその後数匹やってきました!

(この写真でもだいぶ見切れてんなぁ…()

その後同行者も無事にミッキー&ウスミミモンを採集。今回、この2種はマジで無限にやってきてましたw

 

木の幹に撒いた糖蜜にはキバラモクメキリガが!本種も今回は10頭ほどやってきました。

 

いくつか飛来したキバラを見てたらまたもや違和感のある個体が…

「アヤモクメ来

た!!!!!!!!!!」

またまたこれも大声が出た…

すぐに同行者もやってきて急いで採集しました。今回のフィールドだと普通種の部類の冬夜蛾とのことですが、自分は縁が無く見たことなかった冬夜蛾なので本っっっっっっつ当に嬉しい…

ミツボシ&ウスミミモンのツーショット。

今回の採集だとこの2種+カシワオビキリガが最優先種でした…本当に凄かった

そして同行者も別個体のアヤモクメを発見し無事に採集!!

欲を言えばもうちょいアヤモクメ飛んできてくれないかなーって思いましたが、1人1頭ずつ採集できたしまぁ大満足!

 

その後はミツボシ&ウスミミモン追加、クビグロクチバ.sp、キノカワガなど色々採ってから帰路に着きました!

本当に昼も夜も楽しい採集だった………

 

一応戦果です⬇️

キバラモクメキリガ20↑

カシワオビキリガ大量

フサヒゲオビキリガ7

ミツボシキリガ20↑

アヤモクメキリガ2(一頭は同行者採集)

スモモキリガ5

ウスミミモンキリガ18

ヨスジキリガ1

ヒメクビグロクチバ?4

conistra.sp20↑

チャマダラキリガ1

 

おまけ写真

 

フチグロトゲエダシャク♂

Nyssiodes lefuarius (Erschoff, 1872)

 

フチグロトゲエダシャク♀

Nyssiodes lefuarius (Erschoff, 1872)

 

フチグロトゲエダシャク交尾

Nyssiodes lefuarius (Erschoff, 1872)

 

フチグロトゲエダシャク交尾

Nyssiodes lefuarius (Erschoff, 1872)

 

ウスミミモンキリガ

Eupsilia contracta (Butler, 1878)

キバラモクメキリガ

Xylena formosa (Butler, 1878)

ミツボシキリガ

Eupsilia tripunctata  (Butler, 1878)

ウスミミモンキリガ

Eupsilia contracta (Butler, 1878)

ミツボシキリガ

Eupsilia tripunctata  (Butler, 1878)

ヒメクビグロクチバ?

Lygephila recta ?

アヤモクメキリガ

Xylena fumosa (Butler, 1878)

晩秋の巨大蛾を求めて

時期は既に11月下旬。虫も少なくなってきたこんな時期の里山に、この時期"だけ"見られる蛾がいます。

 

その名も『ウスタビガ』

北海道から九州まで広く分布するヤママユガの一種で、先述した通り10〜11月の、晩秋にのみ現れます。

分布も広いし平地から山地まで広く見られる蛾のため、普通種とされていますが何故か自分には出会う機会が無い種でした…。

 

それで今年も、11月下旬に里山を彷徨ってウスタビガを探しに行きました。

 

ウスタビガは光走性が強く、建物や街灯の灯りによく寄せられるので、今回はそれを利用して灯りに飛来した個体を探しました。

まずは駅に落ちていたフクラスズメ。

成虫越冬の為、早春から晩秋まで長く見られる大型のヤガです。

これはこの個体の標本写真ですが、とっても青い後ろ羽が美しいんですよね〜。

 

そして午後7時頃、近隣のドラッグストアに夕飯を買いに立ち寄ったついでに、壁に蛾が付いてないかを探しました。

 

壁になんか黄色いものが付いてるな…落ち葉?一応ウスタビかもだし掬ってみるか……

そして網で掬ったところ…

 

大勝利。立派なウスタビのメスでした…!

午後7時で既に居たってことは、何日か前から灯りに寄せられててそのまま残ってたんですかね?出来事が急すぎたんですがとにかく目的達成が嬉しすぎる…

記念に手乗せしてみました。

やっぱり、この時期(晩秋)に現れる蛾としてはとんでもなくデカいですねぇ……。

そしてお顔。

もっふもふ&つぶらな目がとんでもなく可愛い…

 

そしてこの後朝まで街頭巡ったり色々したんですが、特に大きな戦果も出なかったので帰路に着きました。

最後に適当に草に止まらせて撮影したやらせ生態写真を載せておきます。

残りの今冬は糖蜜を頑張ろうかなぁ…

キトンボ採集

先週に爆死(見たけどネットインできなかっただけ)したキトンボのリベンジに行ってまいりました。

相変わらずの綺麗な沼

 

午前10時頃にポイントに到着、早速付近を適当に散策してみました。

 

なんか池の上をオレンジのトンボがホバリングしてたので「ミヤマアカネとかかな?」と採集…

 

 

「キ、キキキキ、キトンボ!?!?!?」

飛び方がキトンボらしくホバリングしておらず、ミヤマアカネかなーと思って採ったらあっさりキトンボが取れちゃってビックリ……

前回の苦労はどうしたものか……笑

 

そして無事2頭目のオスをネットイン

この個体は少しですが羽が損傷していたので、リリースさせて頂きました。

まぁ、自分はそんなに数採っても面白く無いので…1匹採れれば大満足です。

 

この日は他にもミヤマアカネやマユタテアカネ、ナツアカネ、アキアカネ、オオアオイトトンボなどを見かけました。キトンボが楽しすぎて写真はありません…()

キトンボ Sympetrum croceolum (Selys, 1883)

帰宅後に適当ですが白バック撮影をしてみました。

こう見ると、羽の大部分がオレンジ色で本当に美しいですよね…

 

今回はこんな感じで、また次回のフィールドでお会いしましょう!👋

 

オオスズメバチ観察

少し前から、この辺面白い虫いそうだな〜と目を付けていた近所の樹液場のある緑地公園に行ってみました。

下校中だったので観察だけですが…

林に入ったら乱舞してたサトキマダラヒカゲ

発生時期が終盤ということもあり、だいぶボロの個体が多かったです…。

アカボシ&在来ゴマダラチョウ

地元だと8:2くらいで生息している印象。

どちらも綺麗な個体が多かったけど、この2種は年三化なのかな…?

 

 

足元に小さめの蜂が集まっていたので近づいてみると、

モンスズメ!地元だとよく見られるスズメバチですが、とてもカッコ良い見た目で好きな種です。

全身に散りばめられているワインレッドが美しい…!

あまり上手く撮れませんでしたが、ルリタテハ

夏型の個体は裏側も渋くて良いですね…

キタテハ。

樹液に結構来てましたがサトキマダラに追いかけ回されていました…

 

 

 

オオスズメバチが居ました!デカい!

少し近づいて一枚…

一般には怖がられる存在の生物ですが、やはりカッコいい見た目。

⚠️もちろん普通に危険生物なので、皆さん観察をするなとは言いませんが観察には充分お気を付けください。⚠️

 

 

こんな感じで初めて来た公園の虫の様子でしたが、色々見られて面白かったです〜!

次は網を持って行ってみたいです!()

ヤママユガ採集

先日、秩父地方へヤママユガの採集に行ってきました。

 

ヤママユは私の住んでる埼玉県では少し珍しく、県西部の山間部では割と見られるものの、県東部の平野部では現在はほぼ記録が無く県内ではちょいレア蛾扱いとなっています。

埼玉県レッドデータブック2018動物編ではRT(地域別危惧種)となっております。

 

以下は今回の採集の様子を写真と共に載せてきます〜

 

電車でポイントに向かったら、降りた駅にクワコが居ました!初採集です。

もこもこしててとても可愛い見た目でした〜

セダカシャチホコアゲハモドキ

山間部の駅の散策で得られた大物の蛾はこれくらいで、意外と数が少なかったのでコンビニや街灯巡りに切り替えました。

 

 

 

モモスズメ。様々な環境で見られる普通種ですが、羽の模様が可愛いスズメガですね。

遠目なので分かりづらいですが、恐らくオオゴマダラエダシャク。大きくて迫力がありました

ミミズク。カメムシの仲間の中でもかなり独特な見た目ですね…

 

 

 

 

コンビニや街灯もこんな感じで、意外と虫が居なかったので帰ろうかなぁ(この時すでに11時半を回っていました)…と、駅に着いたところ…

狙いが居ました!!しかもスレカケの無い、かな〜〜〜り綺麗な個体です!

記念に〆る前に手乗りで写真を撮ってもらいました笑

手に載せるとやはりその巨大さと迫力が伝わりますね……!

 

とまぁ、こんな感じで1匹のみでしたが狙いのヤママユガが見れてとても楽しい採集となりました!

来年もまたこの蛾は姿を拝みたいところです✨

自己紹介。

昆虫採集が趣味の中学3年生です。

 

※2024年3月追記、晴れて高校合格したんで春から高校1年生です。

 

・埼玉県をメインに、稀に関東の隣県や中部、北関東などを主なフィールドにしています。

・昆虫の中で特に好きなのは鱗翅目!普段採集するのも鱗翅が多いです。

 

ここでは趣味でやっている昆虫採集の様子などを投稿する予定です。

Twitter(https://twitter.com/zaikokokoko)を主に投稿してるので、そちらよりかはだいぶ不定期更新になるかと思いますが、よろしゅう願いしますー!

……画像がないのもどこか寂しいので、最後に先日撮影したコガタスズメバチとアサマイチモンジでも貼っておきますね〜