安房の虫屋の採集記

素人ながらに昆虫採集を楽しんでいる学生です。気まぐれに投稿します

秋の長野群馬遠征

お久しぶりです。

永らくブログを放置しておりましたが、採集には普通に行っております

早くも12月に突入しそうですが、今日は、今年の9月に行った信州(長野)遠征について書き溜めます。

2024年9月15日

数週間前にさいたまの友人が、ヤママユガ科の蛾が見たいということで、長野と群馬のヤママユ類のよく飛来するポイントに一緒に赴くことにしました。

13時くらいに東京で友達と合流し、高速で長野方面へ向かいました。16時には蛾がよくいる山梨のPAに到着したので、もう夕方ですが灯火ポイントの見回りを。すると…

クスサン♂

さっそく落ちていました!かなり新鮮な雄個体。これは友人にが喜んで採集していきました。

右から

イシダシャチホコ、オオボシオオスガ、オビガ

中型の蛾類もぽつぽつといました。中でもイシダシャチホコは山の方でないと見れない種なので興奮しました。

その後夕飯を食べたりして20時頃まで時間をつぶし、街灯ポイントへ向かいます

着いたら早速クスサン!

時間が早いかと思ってましたが4♂ほど止まっており、飛んでる個体も多数。やはり長野はクスサンが多いですね。

幾つか採集した個体色々。やはりクスサンは個体変異が魅力的ですね〜。

自分は5♂、友人は5♂1♀採集しました。♀は今回の遠征この1匹だけだったため、まだ♀は発生初期かなぁと

 

その後、街灯下で暴れるクスサンを集めていると、見るからに異様な"影"が葉裏に………

「うぎゃああああああああああッッッッッ」

これは叫びました笑。とりあえず葉裏から剥がして地面に落として…

ヒトリガ Arctia caja phaeosoma

という訳で、無印のヒトリガです。本種は寒冷な北日本や北海道に多い蛾であり、東京や私の住む千葉にもかつて産したようですが、絶滅し、現在長野や東北・北海道の寒冷地でしか見られない蛾なのであります。

本種は小学校低学年の頃、ミヤマクワガタを探しに父親と長野に来た際にコンビニで見かけたことがあったのですが、当時の筆者は蛾に全く興味が無くスルーしていました()

その後,真面目に蛾を集めるようになってからふと本種の事を思い出し、また出逢いたいなぁと長年思っていた種なのです。今回の遠征は密かに本種も狙っていたので、実に感動…!

後ろ翅を展開するとこんな感じ。カトカラ顔負けのド派手さに、毒瓶に入れる手が震えるまでありました…。

 

その後、もう一個体街灯の周りを飛翔してるのを見つけたので網で回収!

網から出して手乗りヒトリガ。まじまじと見ると、ホルスタインのような翅の斑紋と、黒に赤の差し色が入った上半身が実に美麗…

その後、もう一個体飛来していました!コチラは触角が櫛状な♂個体。わかりづらいですが♀より一回り小さかったです。

毒瓶に入れてもなかなか完全に〆まらなかったので手乗りしてみました。分かりにくいですが、本種の後翅黒点は構造色で、角度によって青に輝くのですよね…!これも実物を見て気付いた発見で驚きました。

 

余談ですがヒトリガ、掴むと胸から非常に独特の香りを噴出していました。ド派手な警戒色の体色といい、毒があるという警告なのだろうか…

ヒトリガやクスサンで大興奮していましたが、ここで街灯の足元をよく見てみると!

ガムシが闊歩していました。生きた個体は人生初見です。これほどのサイズの水生昆虫を見るのはかなり久しぶりで手が震えました…

デカイ。

因みに当地では街灯の下に死骸が幾つも転がっていたので、割と普通種の様です。うーむ、長野の自然度恐るべし…

その他には!

クロシタキヨトウ

シロヒトリ

アカハラゴマダラヒトリ

オビカギバ

モンヤガの一種(同定中)

エビガラスズメ(友人採集)

ギンモンシロウワバ(帰宅後撮影です)

などなど、小型の蛾も色々。

 

この辺りで群馬県のヤママユが見られるポイントに移動し、またヤママユ類を狙って行きます!

 

到着して早速、灯りを見てみると……

ヤママユ♂

普通にくっ付いていました笑笑

少しくたびれていますが、ヤママユは本遠征で初なので一応キープ。

ヤママユ♀

その後街灯を見回っていると、友人が♀を持ってきてくれました!

ヤママユは色々と変異がありますが、この黄色い♀は個人的にかなり好きですね〜。

ヤママユは私は1♂1♀、友人が3♂2♀を採集。9月の中旬なのでヤママユは少ないかと思いましたが、今年は発生が遅いのか?意外と結構いましたね〜。

 

その他の昆虫は!

エゾカタビロオサムシ

ロードキルされたコガネムシを食していました。

フクラスズメ

シーズンなのか?街灯に30頭近く止まっていました。ちょっと気持ちが悪い笑

オオカブラヤガ

秋に出るモンヤガです。

ナカグロクチバ

南方系のクチバですが、分布を北上しています

クロスジノメイガ

写真が悪いですが、脚がかなり長くて少し不気味なノメイガです!

ヤマクダマキモドキ

山地生のツユムシです。

ウンモンテントウ

山地生のテントウムシです。

カギバアオシャク

大型のアオシャクです!

ミヤマクワガタ♂(とクスサン)

 

街灯からクスサンが降りてきたので駆け寄って見ていると、そのすぐそばをミヤマクワガタが徘徊していました!こんな時期でも見られるとは思わず、嬉しかったです。

そんなこんなで、近くのPA車中泊をし、また朝に街灯を見回りました、が…

ヤママユ♂とクスサン♂の羽

ヤママユ♀の羽

クスサン♀の羽

クロメンガタスズメ

と、時間が少し遅く大型蛾は翅しか見られませんでした😢

クロメンガタスズメは特に悲しい…

 

とまぁそんな感じで、この後少し昼採集をしてから帰路に着きましたが、天気が非常に悪く吹けば飛ぶような成果しか得られなかったので、ここでは簡単にまとめます()

ミドリヒョウモン♂♀

ヒョウモン類は他にウラギンヒョウモン、メスグロヒョウモンがいました。

ムツアカネ♀

一応昼採集では一番の成果です。本州は寒冷地のトンボで、北海道と中部山岳地帯の一部にしかいないのでまぁまぁ嬉しかったです。

他にはゴイシジミ、友人がチャイロスズメバチなどを採集して、帰路に着きました。

 

本遠征の成果は↓

クスサン ×10+♂1♀

ヤママユガ ×5♂3♀

ヒメヤママユ ×1♂

ヒトリガ ×1♂2♀

シロヒトリ ×2♂1♀

アカハラゴマダラヒトリ ×1♂

イシダシャチホコ ×1♂

シモフリスズメ ×1♀

エビガラスズメ ×1♂

オビガ ×1♂

ホシオビコケガ ×1ex.

ヨツボシホソバ ×1♂

オオボシオオスガ ×1ex.

オオカブラヤガ ×1♂

クロシタキヨトウ ×1♂

モンヤガ類の一種 ×1♀

ナカグロクチバ ×1ex.

フクラスズメ ×50↑exs.

ミツモンキンウワバ ×1ex.

ギンモンシロウワバ ×1ex.

リンゴツノエダシャク ×1♀

カギバアオシャク ×1♂

クロスジノメイガ ×1ex.

ウラギンヒョウモン ×1♂

ミドリヒョウモン ×2♂1♀

メスグロヒョウモン ×1♂

ジャノメチョウ ×1♂

ゴイシジミ ×3exs.

Taraka hamada hamada

 

アキアカネ ×50↑exs.

ムツアカネ ×1♀

アカネ属の一種 ×1♀

オオアオイトトンボ ×5♂3♀

 

ガムシ ×1ex.

エゾカタビロオサムシ ×1ex.

ミヤマクワガタ ×1♂

ウンモンテントウ ×1ex.

キイロスズメバチ ×1♀

チャイロスズメバチ ×1♀

寄生蜂の一種 ×1♀